2012年2月21日火曜日

【報告】2012年2月20日の古典戯曲を読む会@東京

先月に引き続き、イプセン『人民の敵』(毛利三彌訳『イプセン戯曲選集 現代劇全作品』東海大学出版会、1997年)を読みました。参加者は13名でした。このうち初めての方が4名です。最近はほぼこんな感じの集まり具合になっています。
今月は第3幕と第4幕を読みました。

第3幕は町の新聞社の一室。ストックマン博士による温泉汚染告発の論文を発表することに好意的な態度をとっていた新聞編集長が、町長に懐柔されて180度意見を変え、ストックマン博士の論文掲載を拒否する。ストックマン博士は、町長と新聞社と対決する覚悟を決める。
第4幕はストックマン博士の公開演説会。ホルステルの好意で、町民を集め、ストックマン博士は温泉汚染の告発を行う演説会を行おうとします。しかしそこに町長と新聞社も乗り込んできて、演説会は討論会の様相を示す。議長役の誘導により、ストックマン博士は窮地に追い込まれる。逆上した博士は、辛辣な大衆批判の演説を行い、会場は大騒ぎになる。最終的にストックマン博士は、民衆たちによって「人民の敵」とみなされる。

ストックマン博士の大衆批判演説が行われる第4幕はこの作品のクライマックスです。ストックマンの攻撃的な民衆憎悪のことばに、民衆たちは野次や怒号を投げ返し、騒然とした雰囲気となります。数年前に見た燐光群の舞台では、観客を民衆にみなす演出でした。ストックマン博士を演じた大浦みずきが舞台上から舞台下まで優雅に動き回り、観客に向かって怒りを表明する場面は印象に残っています。本当にかっこよかったですね。今日の読む会でもこの幕は盛り上がりました。

来月で『人民の敵』を読み終えます。来月は第4幕、第5幕を読みます。来月の古典戯曲を読む会@東京は、3/19(月)19時〜、早稲田の学生会館で行われる予定です。

再来月四月は、4/21(土)の予定です。四月から七月の4ヶ月は、土曜日開催となる予定です。

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