2017年5月14日日曜日

【告知】第115回古典戯曲を読む会@東京 2017年5月20日(土)

古典戯曲を読む会@東京、5月の会の告知です。

先月に引き続き、イタリアのノーベル文学賞作家、ダリオ・フォ『アナーキストの事故死』を読みます。先月参加されていない方の参加も歓迎します。

作品は日本では2002年、シアターXで上演され、その翻訳を手がけた高田和文先生のご厚意で上演台本を入手することができました。まだ日本ではまとまった作品集が刊行されていない現在、フォの作品を知る貴重な機会になると思います。翻訳者のイタリア語翻訳・通訳者の石川若枝さんのガイドで読んでいきます。
作家・演出家だけでなく、演者としても絶大な人気があったフォーのパフォーマンス映像も、当日紹介する予定です。
多くの方のご参加をお待ちしております。
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開催場所は早稲田大学です。今回の教室は「早稲田大学戸山キャンパス 32-224教室」です。集合時間は「18時50分 戸山キャンパス正門前」になります。
初めて早稲田にいらっしゃる方は、「早稲田キャンパス」と「戸山キャンパス」をくれぐれも間違えないようにしてください。会場は「戸山キャンパス」です。大隈講堂や演劇博物館がある早稲田キャンパスではありません!(最寄り駅はどちらも東西線早稲田駅です) 

【早稲田大学 戸山キャンパス地図】
http://flas.waseda.jp/flas/wp-content/uploads/sites/7/2013/03/map01l1.jpg

あまり大人数になり過ぎても読む会として収拾がつかなくなるため、先着20人程度で定員とさせていただきます。お早めの参加表明をお待ちしております。
終わった後、軽く(22時半過ぎには終了)懇親会を行いますので、ご都合がつく方はそちらにもぜひご参加下さい。
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【開催日時】5月20日(土) 19時~21時頃
【場所】早稲田大学 戸山キャンパス 32-224教室
http://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2014/10/toyama-campus-map.pdf
【使用テキスト】ダリオ・フォ「アナーキストの事故死」(高田和文訳)。テキストは未刊行です。先月参加されていない方は当日コピーをお渡ししますのでその旨ご連絡下さい
【問い合わせ先】 片山幹生(mikiokatアットマークgmail.com)もしくはtwitter「@koten_tokyo」
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以下、石川若枝さんによる紹介文です。
【作家紹介】
昨年の10月、90歳でこの世を去ったダリオ・フォは、第二次大戦後のイタリアを代表する演劇人の一人であり、半世紀にわたって俳優・脚本家・演出家・舞台美術家として多彩な活動を展開しました。
1926年、ミラノの北西、マッジョーレ湖に近いサンジャーノで生まれ、1950年にミラノの美術学校を卒業したのち、ラジオの仕事を通じて演劇の世界に入ります。
1954年に伝統的な芝居一座の末裔で女優のフランカ・ラーメと結婚し、多くの作品で共同作業を行いました。
イタリアの大衆的な演劇やコンメディア・デッラルテの流れをくむ喜劇のスタイルに、政治や宗教的権威、あるいは社会への辛辣な風刺を組み合わせた作品を次々と生み出し、人気を博しました。
中世の民衆文化に強い関心を寄せ、1969年に初演された一人芝居『ミステーロ・ブッフォ(滑稽聖史劇)』では、民衆の視点から支配者を風刺するばかりでなく、解説と演技を交互におこなうという形式をあみだし、同時代にも通じる批判的な演劇としても高く評価されました。
1997年には「中世の道化の伝統に範をとり、権力を嘲笑し、抑圧された人々に尊厳をとり戻した」として、ノーベル文学賞を受賞しています。

【作品紹介】
『アナーキストの事故死』(原題:Morte accidentale di un anarchico)は1970年に初演され、世界各地で好評を博した作品で、フォがもっとも政治的に積極的だった時期の傑作と言われています。
初演の1年前、1969年12月にミラノの中心部で大規模な爆破事件(フォンターナ広場爆破事件)が起こります。その後イタリアでは、全国でテロ事件と政治闘争が続き、10年以上にわたる「鉛の時代」に突入します。
この作品は、ミラノの爆破事件の直後、容疑者とされたアナーキストがミラノ警察の建物の5階から落下して死亡した事件をとりあげ、爆破事件への国家的な関与を暗示する挑発的な内容です。しかし単なる政治批判の劇ではなく、全体に「演じる」という枠組みを与え、フォの得意とする笑いの手法が駆使された上質の喜劇になっています。
伝統的な演劇と現代をつなぐ回路、時事的な問題に演劇がもち得るインパクトや笑いの力を考える上でも示唆に富む作品といえるのではないでしょうか。

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