mixiの古典戯曲を読む会コミュニティの記述によると、東京での会の第一回が2006年12月のようなので、今月は5周年ということになります。
今月は10月、11月に引き続き、ハヤカワ演劇文庫『岸田國士I』から、「明日は天気」と「屋上庭園」を読みました。参加者は13名といつもより多めでした。twitterでの掲示を通、初めての参加された方が5名いました。
「明日は天気」は先月の文学座公演で上演された戯曲。数日間泊まりがけで海水浴に来たものの、天気が悪くて宿でくすぶるしかない夫婦の会話の劇。夫の饒舌にもかかわらず、夫婦のやりとりには倦怠期を感じさせる澱みが漂っています。しかし関係のマンネリズムを受け入れつつ、互いによりそっていく穏やかで温かい夫婦の姿が最後に示されていたように思いました。
「屋上庭園」は宮田慶子演出で数年前、新国立劇場で上演されたものを私は見たことがあります。成功し、裕福な旧友にデパート屋上庭園で偶然会ってしまったばかりに、仕事に失敗し、慎ましい生活を送らざるを得ない己の惨めさを自虐的に確認してしまう男のいじけた姿が、サディスティックに描かれています。この男によりそう妻の優しさ、その優しさゆえの残酷さが、この男の惨めさをさらに引き立てていました。
終了後は早稲田のママキムチにて忘年会。料理1500円のコースでしたが、ずいぶんたくさん出てきたように思います。
次回の古典戯曲を読む会@東京は、2012年1月23日(月)19時より@早稲田大学戸山キャンパス教室、取り上げる戯曲はイプセン『民衆の敵』の予定です。
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