古典戯曲を読む会@東京、2月の回の告知です。
ホーフマンスタール(1847-1929)『イェーダーマン』(1911)を読みます。
ホーフマンスタールはウィーン生まれ、オーストリアの劇作家です。初期に象徴主義的,新ロマン主義的な詩によって注目を集め,その後、戯曲の創作を精力的に行い『エレクトラ』(1903)、道徳劇『イェーダーマン』(1912)、喜劇『気むずかしい人』(1921)などの作品が知られています。
また『薔薇の騎士』(1911)、『ナクソス島のアリアドネ』(1912)、『影のない女』(1919)などリヒャルト・シュトラウスのオペラ作品の台本の執筆者でもありました。オーストリアの演出家、マックス・ラインハルトなどと第一次世界大戦後、現在まで続くザルツブルク・フェスティバルをはじめた人物でもあります。
『イェーダーマン』は15、16世紀にヨーロッパで流行した寓意道徳劇の翻案で、直接的にはハンス・ザックスによる16世紀の作品『富める人の劇』を下敷きにして作られた作品です。寓意道徳劇では、擬人化された抽象概念が登場人物としてせりふを話します。タイトルの「イェーダーマン」(Jedermann)は「あらゆる人」の意で、すべての人間の代表であることを意味しています。
1920年以降『イェーダーマン』はザルツブルク・フェスティバル(音楽祭)のオープニングを飾る野外劇として、上演され続けています。
中世ヨーロッパに流行・発展し、その後もヨーロッパ文学のなかにその残滓を見出すことができる抽象概念のアレゴリーによる演劇が、ポスト・ロマンチシズムの作家であるホフマンスタールによってどのように書き換えられているかを、戯曲を声に出して読むことを通して確認してみませんか?
『イェーダーマン』は一回では全部読み終わらないかもしれませんが、2月の回だけで扱い、古典戯曲を読む会@東京は3月は休会、4月以降は別の作品を取り上げる予定です。
直前の告知となりましたが、多くのかたのご参加をお待ちしております。
今回は会場がいつもの早稲田大学ではありません。また平日木曜夜の開催になります十分にお気をつけください。
会場は早稲田にある「shy 室伏鴻アーカイブカフェ」です。
http://kkunstwatanabe.wixsite.com/shys
東西線の早稲田駅から550m。徒歩6-7分かかります。場所も比較的分かりにくいと思いますので、必ずスマホの地図か紙に印刷した地図をお持ちになって、時間に余裕をもっておいでください。世話役は、遅くとも30分前には来てスタンバイしている予定です。集合は「19時までに現地集合」とします。
なお今回はカフェでの開催となりますので、参加費として1000円いただきます。この1000円には資料代、コーヒー、紅茶、オレンジジュース、ワインなどの飲み物代(お代わり自由)が含まれています。
あまり大人数になり過ぎても読む会として収拾が付かなくなるため、先着20人+α程度で定員とさせていただきます。お早めの参加表明をお待ちしております。終わった後、懇親会を行う予定ですので、ご都合がつく方はそちらにもぜひご参加下さい。
【開催日時】2018年2月8日(木) 19時~21時頃 (会場に現地集合)
【場所】「shy 室伏鴻アーカイブカフェ」*いつもの早稲田キャンパスではありません
http://kkunstwatanabe.wixsite.com/shys
【使用テキスト】ホーフマンスタール「イェーダーマン:金持ちの死のお芝居」津川良太訳、『現代世界演劇04 -宗教的演劇』白水社、1971年(戯曲はコピーを用意します)。
【参加申し込み・問い合わせ先】 片山幹生(mikiokatアットマークgmail.com)もしくはtwitter「@koten_tokyo」
0 件のコメント:
コメントを投稿