【ダリオ・フォーについて】Dario Fo (1926-2016)
イタリアの劇作家、演出家、俳優。ミラノで喜劇俳優としてデビュー。民衆喜劇の流れをくむ女優フランカ・ラーメと結婚、1953年一座を結成して以来、自作・自演の喜劇、笑劇を興行し続ける。パロディー、ギャグ、アクロバット、歌、マイム、道化、仮面、人形など、民衆劇的な手法を駆使して、現代の政治状況や体制を風刺し告発する独創的な舞台を生み、代表作に『旗と操り人形による大パントマイム』(1968)、『ミステーロ・ブッフォ』(1969)、『あるアナーキストの不慮の死』(1970)、『誘拐されたファンファーニ』(1975)など。1997年にノーベル文学賞受賞。
〈赤沢寛〉『日本大百科全書』より
【作品について】
『泥棒もたまには役に立つ』Non tutti i ladri vengono per nuocere(一九五八)
高級マンションに忍び込んだ泥棒。そこに家の住人の男が愛人を連れて帰宅、さらに泥棒の妻、男の妻、愛人の夫が次々に現れる。男と愛人、男の妻と愛人の夫がそれぞれ不倫関係にあるが、全員が相手にその事実を悟られまいと懸命に取り繕う。ブルジョア階級の二組の夫婦の不倫騒動に泥棒の夫婦が絡んで巻き起こる喜劇。フォーのごく初期の一幕劇。二〇〇一年、シアターXが上演(井田邦明演出)。
『開かれたカップル』Coppia aperta, quasi spalancata(一九八三)
フランカ・ラーメとの共作。自由で開かれたカップルを目指す中年夫婦の奇妙な関係をコミカルに描く一幕劇。男と女のかみ合わない対話から、イタリア人の奥底にある抜きがたい性差別の意識が浮き彫りになる。劇中、長い台詞を一人で演じる場面が多数あり、フォーが得意としたモノローグ劇の性格も併せ持つ。海外での上演も多く、日本では二〇〇一年にシアターX(井田邦明演出)、二〇〇六年にうずめ劇場(ペーター・ゲスナー演出)が上演。
https://forms.gle/rHc12Y1tW8dDCzAs5

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